出版物

新型コロナウイルス危機の最中に起こり得る略奪的買収を防ぐため、ECは、 外国からの対内直接投資を審査するにあたって、各加盟国の協力を求めました。

2020年4月20日)

新型コロナウイルスの問題が叫ばれるようになってから既に数か月が経つ中、現在におきましても収束の糸 口すら見いだすことができておりません。むしろ、東京オリンピックの延期をはじめ、日本のみならず海外 におきましても混乱が拡大する様相を呈しています。

このような新型コロナウイルスによる混乱を受けて、Squire Patton Boggsの海外オフィスの弁護士が、新型 コロナウイルスに関連する法的問題及び対応方法をテーマに本記事を作成致しましたので、下記にあるURL をご参照ください。この英文記事につきまして、東京オフィスの弁護士による日本語要約も併せて作成して おりますので、新型コロナウイルス問題への対応をご検討頂く際にご参照頂ければと存じます。また、新型 コロナウイルス問題に関するご相談、本記事の内容についてご不明点、ご質問がございましたら、東京オフ ィスの担当弁護士までご連絡頂ければ幸いです。こちらの記事及び要約を通じまして、少しでもクライアン トの皆様のお役に立つべく、こらからも情報発信をさせていただく所存でございますのでお気軽にご相談く ださい。

スクワイヤ外国法共同事業法律事務所

EC Ready to Cooperate with Member States on FDI Screening to Prevent Predatory Takeovers During Crisis
新型コロナウイルス危機の最中に起こり得る略奪的買収を防ぐため、ECは、外国からの対内直接投資を 審査するにあたって、各加盟国の協力を求めました。
(2020年4月20日)

EUの貿易委員会は、新型コロナウイルスのパンデミックの渦中で起こり得る重要なビジネスへの略奪的買収を防ぐために、外 国からの対内直接投資(foreign direct investment (FDI)) の審査レベルを上げるようにEUの各加盟国に要請しました。

欧州全体で新型コロナウイルスのパンデミックと経済の減速が進んだため、ECの対内直接投資審査に関する姿勢はますます緊 迫したものとなっています。3月に、ECは、第三国経由の対内直接投資を通じてヨーロッパの「ヘルスケア生産力」と「研究 機関」への投資が注目を浴びていることを警告する公式のガイダンスを加盟国に発行しました。当該警告は、「新型コロナウ イルスの発生により、同一のマーケット内においてこのような貴重な生産力の共有を維持および強化する必要性が浮き彫りに なった。」と述べています。

ECによる対内直接投資関連法の改正は、第三国からのインフラストラクチャ、防衛、メディア、重要なテクノロジーを含む戦 略的産業への投資に対する懸念に応えるために実施されました。ただし、EUの主要経済国であるフランス、ドイツ、イタリア およびスペインでは、クロージング前に承認を得るべきことを既に要求しています。これは、各加盟国が独自の審査体制、届 出基準、審査を必要とする投資の範囲等を設けている一方で、EUの対内直接投資関連法の改正は、主に加盟国間の情報共有を 促進するためのものです。例えば、複数の加盟国の安全が、特定の投資によって影響を受ける可能性があると思われる場合に は、影響を受けるであろう加盟国に対して当該投資に関する情報を共有するというものです。

新型コロナウイルスの危機によって、重要な原料や製品、特に手指消毒剤や個人用保護具(PPE)等の医療機器に関する国内 の生産能力を持つことの重要性が明らかになりました。したがって、各加盟国でも対内直接投資改正を行ったECのスタンスを 独自に反映し始めています。

COVID-19: EC Ready to Cooperate with Member States on FDI Screening to Prevent Predatory Takeovers During Crisis