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新型コロナウイルス禍におけるCFIUSについて

米国(2020年4月2日

新型コロナウイルスの問題が叫ばれるようになってから既に数か月が経つ中、現在におきましても収束の糸 口すら見いだすことができておりません。むしろ、東京オリンピックの延期をはじめ、日本のみならず海外 におきましても混乱が拡大する様相を呈しています。

このような新型コロナウイルスによる混乱を受けて、Squire Patton Boggsの海外オフィスの弁護士が、新型 コロナウイルスに関連する法的問題及び対応方法をテーマに本記事を作成致しましたので、下記にあるURL をご参照ください。この英文記事につきまして、東京オフィスの弁護士による日本語要約も併せて作成して おりますので、新型コロナウイルス問題への対応をご検討頂く際にご参照頂ければと存じます。また、新型 コロナウイルス問題に関するご相談、本記事の内容についてご不明点、ご質問がございましたら、東京オフ ィスの担当弁護士までご連絡頂ければ幸いです。こちらの記事及び要約を通じまして、少しでもクライアン トの皆様のお役に立つべく、こらからも情報発信をさせていただく所存でございますのでお気軽にご相談く ださい。

スクワイヤ外国法共同事業法律事務所

CFIUS During COVID-19 Pandemic
新型コロナウイルス禍におけるCFIUSについて
米国(2020年4月2日)

新型コロナウイルスが拡散している現在でも、CFIUSは、M&A取引の承認に重要なステップであり続けます。 ワシントンDCの多くの米国連邦政府機関と同様に、財務省においてCFIUSのプロセスを管理するスタッフは、新型コロナウイ ルスの蔓延を防ぐためのソーシャルディスタンスの影響を受けており、新しい案件の審査開始と既存の案件の承認に遅延が生 じています。

CFIUSは、「対米外国投資委員会」(Committee on Foreign Investment in the United States、略称「CFIUS」)という財務省 が管理する複数の省庁によって構成される委員会であり、米国の国家安全保障に影響を与え得る外国投資を審査します。一部 の取引では届出が必須ですが、その他の取引では自発的に届出がなされる場合もあります(自発的な届出および当該届出への 承認は、外国企業による当該投資に関連して今後CFIUSが介入を行わないと決定する「セーフハーバー(Safe Harbor)」を与え ます。)。外国企業が関与する多くの投資は、届出が必須かまたは任意かにかかわらず、CFIUSの審査と承認が条件とされて います。

CFIUSのスタッフが直面している現在の課題を考えると、届出者はCFIUSのプロセスの遅延を見積もっておく必要があります が、その遅延の程度は、各案件の詳細を含むさまざまな要因によって異なります。ただし、現時点においてM&Aを検討また は関与している企業は、CFIUSの承認を要求する誓約条項の放棄を急いだり、CFIUSの承認により提供されるセーフハーバー による利益を放棄したりしてはなりません。現在の遅延がM&Aのスキーム全体に負担をかけているとしても、クロージング後の CFIUSのアクションが潜在的なリスクとして残るためです。

CFIUSに関するリスクを懸念する企業は、CFIUSへの届出が必須であるかどうか、またはCFIUSへの自発的な届出をM&Aの交 渉の一部とするべきかどうかを判断する観点から、CFIUSに関する経験が豊富な弁護士から助言を得ることを検討する必要が あります。

CFIUS During COVID-19 Pandemic